國武先生のコシヒカリ物語

~コシヒカリが世に出るまでから
今日的問題まで~

番外編 スミショートとコシヒカリ 2001.11.30
スミショート普及始(1991)から10年、稲作りと米に、変化があったか

(1)品種分布

コシヒカリは53~54万haで王座独占、主産地の作付率は80%台に過剰集中。ササニシキは20万haから2万ha台に減少局地化。代わってひとめぼれ、あきたこまちが15万haと13万haに増加。暖地ではヒノヒカリが14万haに増加。コシヒカリ血統時代へ。

図1)主な銘柄品種の作付面積の変化(食糧庁調べ)

図1:主な銘柄品種の作付面積の変化(食糧庁調べ)
(注)H(3):スミショート普及はじめ

(6)ひとめぼれ
宮城56  岩手32
福島18  山形8
秋田7(他21県)
(5)ヒノヒカリ
福岡19  熊本17
大分17  佐賀15
鹿児島12 宮崎9
長崎8(他14府県)
(4)あきたこまち
秋田75  岩手16
山形9(他24県)
(3)日本晴
(2)ササニシキ
宮城11  山形4
(他3県)

(2)食味と流通価格

コシヒカリを超える品種無し。
1類銘柄:新潟コシヒカリ等32都府県。宮城ひとめぼれ。

2類銘柄:三重コシヒカリ6県。岩手ひとめぼれ等8都県。秋田あきたこまち等3県。熊本・大分ヒノヒカリ。滋賀キヌヒカリ等3府県。山形はえぬき。宮城・山形・福島ササニシキ。兵庫とんとこい。岡山朝日。石川ほほほの穂。他3品種(ササニシキBL、どまんなか、ナツヒカリ)。

食味ランク:特A:魚沼・岩船・佐渡・会津コシヒカリ。宮城・岩手ひとめぼれ。秋田あきたこまち。庄内はえぬき。(年次で変化)。

自主流通米価格:H6(1994)をピークに下落(1977~1980相等)。H13(2001)新米最高値は魚沼コシヒカリ26,223円(新潟一般18,700円)。16,000台のコシヒカリ産地も多い。自主流通米価格:2000.6-17,223円、2001.9-16,648円。上場見送り産地も多い。落札残多:富山コシヒカリ、茨城コシヒカリ。

JAS法(コメ品質表示制度):2000年産米から導入。コシヒカリ一極集中化へ。

(3)虚弱児コシヒカリの虚弱体質(倒伏・いもち病)は今も変わらない(1993・櫛渕)

N県のS場長とK室長が、生まれるはずもない虚弱児を品種にしてしまった(1955)。コメの流通革命が起き、品種選択の箍を180度変えてしまった。
コシヒカリ(54万ha)とその子は、流通人気だけ、日本の未来を担う品種力はない。

(4)田植え機械化以降の施肥技術の流れと、スミショートの位置付け

図2:田植え機械化(1970~)、良食味品種全盛、省力化時代における、多目的追求、施肥技術の流れ
TOP