國武先生のコシヒカリ物語

~コシヒカリが世に出るまでから
今日的問題まで~

第13話 平成12年産米、スミショート施用圃場《コシヒカリ》の食味分析結果まとめ

新潟県、当社特約店 富山様で昨秋収集いただいきましたスミショート施用圃場の《コシヒカリ玄米》について、当社でケット製AN-800型機を使い食味分析いたしました。その結果につきまして國武先生におまとめいただきコメントを頂戴しました。以下のとおりご報告いたします。 サンプル総数49件についての、分析結果詳細まとめは、表1のとおりです。

表1)H12スミショート(新潟)コシヒカリの食味値と関係条件
食味値分級 点数 食味値 水分
タンパク
収量
kg/10a
N施用量(/10a)
総量
kg
基肥
kg
追肥
kg
スミショート
kg
穂肥II
(実肥)
kg
極上 80~ 3 80.0 15.1 6.1 550 5.3 3.0 0.1 (14)1.4 0.8
優良 78~79 4 78.5 15.1 6.5 538 5.5 3.2 0.1 (14)1.4 0.8
4 78.5 15.4 6.4 615 6.3 3.0 0.1 (21)2.1 0.8
4 78.5 14.8 6.4 - - - - - -
75~77 7 75.7 15.0 7.0 - - - - - -
10 76.3 15.0 6.9 594 5.9 2.8 0.0 (21)2.1 1.0
11 76.6 15.0 6.8 576 5.7 3.0 0.1 (14)1.4 1.3
1 77.0 14.5 6.5 660 8.2 SSR 6.8 0 (14)1.4 0
2 76.0 14.9 6.9 - 6.2 3.2 0 (14)1.4 1.6
1 76.0 15.1 7.1 - 5.9 2.4 0 (35)3.5 0
70~74 2 74.0 14.5 7.1 575 5.6 2.7 0.1 1.4 1.5

これによると、食味値については、極上(スコア80以上)3点、優良(同79~77)44点、良(同、70~74)2点となっており、収量については、判明しているものの単純平均値が586キロとなっております。

収量・穂肥の量、時期・食味値の関係条件一覧並びに講評は、図1のとおりです。

図1)H12スミショート(新潟)コシヒカリの食味値と関係条件(住友化学、ケットAN-800型)

図:H12スミショート(新潟)コシヒカリの食味値と関係条件(住友化学、ケットAN-800型)

概評)
1)主に優良に分布。極上は少数。
2)食味値とタンパク%は相関(負)が高い。
3)食味値、極上及び78~79の優良のものは、それ以下のものよりも施肥N量が少なめ。
4)施肥量多めで、多収志向のものは食味値が低い傾向。
5)施肥回数はかなり多い傾向。

図:H12スミショート(新潟)コシヒカリの食味値と関係条件(住友化学、ケットAN-800型)
図:H12スミショート(新潟)コシヒカリの食味値と関係条件(住友化学、ケットAN-800型)

基肥を減肥し、つなぎ肥などを省略し、幼穂形成期に穂肥を打ち、早めに穂肥を切り上げるスミショートの栽培体系での食味向上効果がハッキリでていると思われます。

また、スミショートを使い、食味に十分配慮しつつ、高収量を目指しておられる篤農家様のご努力に敬意を表したいと思います。

スミショートデータ等
(絵をクリックすると大きいファイルが見られます)
スミショート チラシ(表紙)スミショート チラシ(裏面)

昨秋の食味分析については、新潟県の他にも、各地のお客様から約100件をお寄せいただいており(うち、スミショ-トの体系約50件、スーパーSRコ-トの体系約50件)、その結果のまとめにつきましても、追ってご報告いたします。

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