國武先生のコシヒカリ物語

~コシヒカリが世に出るまでから
今日的問題まで~

第5話 米粒の大小は品種の特性、大小は千粒重で表わす

稲は出穂開花と同時に授精し、米袋の長さは7日目、幅は12日目、厚さは14日目に完成し、1粒の米はデンプンを貯えて25日で充実する。

  1. コシヒカリの米粒は長さ5.2、幅3.0mmくらいで、場所が変わっても大きくは変わらない。厚さは、1.8~1.85mm以上が完全米(透明な整形)で、厚いものは22mmになる。
  2. コシヒカリの千粒重は21.5gくらいだが、場所によっては20g以下もあれば、23g台まである。品種の特性なのに、こんなに幅があるのか。

(1)奨励品種特性表の粒形(18府県)

図:奨励品種特性表の粒形(18府県)
(平均)
長さ:5.18mm±0.17mm
幅:2.99mm±0.11mm

(2)場所による千粒重の変化

図:場所による千粒重の変化

(3)粒厚別千粒重

図:粒厚別千粒重

粒厚は、実りの度合そのもの。作況では、1.7mm以上が米。しかし、出荷産米は1.8~1.85mmで米選される。粒厚の厚さ別の千粒重は、19gから24gまで大きく変化している。つまり粒厚1.8~2.0mmが主なコシヒカリなら千粒重は21~22gだが、2.0~2.2mmに集中したコシヒカリならば千粒重23~23.5gにもなる。

(資料)
農林水産省農蚕園芸局編(1989):水陸稲・麦類奨励品種特性表、
住友化学(1991,1993,1994):水稲穂肥専用倒伏軽減剤入り肥料

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