國武先生のコシヒカリ物語

~コシヒカリが世に出るまでから
今日的問題まで~

第4話 各府県のコシヒカリの稈長(例)と、倒伏軽減剤入り穂肥(スミショート)による早稈化

水稲奨励品種特性表(農水省農蚕園芸局編、1989)のコシヒカリの稈長を仮に近畿から東と西に分けて、平均値と標準偏差を試算してみた。東では約92cm±4cm、西では89cm±5cmであった。早期作の多い西の方がやや短めで、東の方が長めであった。

図:各府県のコシヒカリの稈長(例)と、倒伏軽減剤入り穂肥(スミショート)による早稈化

住友化学(株)は、コシヒカリのもつジベレリン生合成活性を阻害するウニコナゾールpを開発した。肥料部はこれを化成肥料に含ませた穂肥専用肥料スミショート(チッソ成分量別に、28,21,56,42)を開発して、委託による公的試験を行ってきた。その各県の普及慣行区の稈長は、品種特性表の稈長とほぼ同じであり、スミショートは、これを91~93%に短稈化、約6~8cm短くして、倒伏を少なくしていた。
かつてT大T教授(1970)が、「コシヒカリの稈長が10cm短かったら、完璧な品種」と講演されたことを、想い起こしている。

(資料)
農林水産省農蚕園芸局編(1989):水陸稲・麦類奨励品種特性表、
住友化学(1991,1993,1994):水稲穂肥専用、倒伏軽減剤入り肥料

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