季節のご相談から

【「季節のご相談から」 ~ひげ仙人の農薬なんでも相談室~】その1.シャインマスカットの無核栽培でのジベレリン処理

このコーナーでは、これまで弊社のお客様相談室に寄せられた農薬に関するお問い合わせから、解決方法や参考情報などをシリーズでお届けします。

シャインマスカットの栽培を始めたばかりの農家です。無核栽培を目指してジベレリン処理を行っていますが、完全に無核にはならず種子が混入する場合があります。どのようにしたらよいでしょうか?また処理時に注意することは何ですか?

シャインマスカットは2倍体欧州系品種に該当しますので、使用説明書の作物名「ぶどう(2倍体欧州系品種)[無核栽培]」の欄の記載内容に従ってご使用ください。

第1回目のジベレリン処理では、無種子化と着粒安定を目的に、満開時~満開3日後にジベレリン25ppmにフルメット液剤5ppmを加用して花房浸漬します。ジベレリン処理が早いと軸が湾曲しやすいので、花蕾が咲き切った状態で処理を実施しますが、逆に処理時期が遅れると花ぶるいを起こすことがあるので注意してください。花穂の開花時期が揃わない場合は、作業を2~3回に分け、処理適期を迎えた花穂から処理して下さい。また、無種子化を目的とした場合の処理は、薬液が花蕾全体に十分いきわたる様に丁寧に行うことが効果の安定に繋がります。
更に、ジベレリン処理だけでなく、ストレプトマイシン液剤(ぶどうの無種子化に適用のある製品に限る)との併用処理を行うことで無核果率の向上が図れます。満開予定日の14日前から満開期に、本剤の1000倍液(200ppm)で花房浸漬します。なお、使用に当たっては、ストレプトマイシン液剤の使用上の注意事項を厳守して下さい。

その他に処理時に注意すべきこととしましては、以下をご覧ください。

第2回目の処理では、果粒肥大促進を目的に、満開10~15日後にジベレリン25ppm液を用いて果房浸漬します。薬液の乾きが悪いと薬害(果面障害:ジベ焼け)が出る恐れがありますので、薬液が乾きやすい天候の日に作業を行い、薬液を処理した後はぶどうの枝やぶどう棚の針金を軽く振って余分な薬液を落としてください。本剤の使用で無種子化や果粒肥大・着粒安定が図れる一方、使用時期や使用濃度を誤ると花ぶるい、裂果や脱粒等の恐れもありますので、使用時期や使用濃度は厳守してください。

シャインマスカットにおけるジベレリン(粉末・錠剤)及びフルメット液剤の使用方法については、以下に動画を公開していますので、参考にしてください。

「住友ジベレリン粉末・錠剤」と「フルメット液剤」の使用方法【植物成長調整剤】

植物成長調整剤の各製品に関しては以下をご参照ください。

「住友ジベレリン粉末」の製品ページ
(詳細情報)

「住友ジベレリン錠剤」の製品ページ
(詳細情報)

「フルメット®液剤」の製品ページ
(詳細情報)

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