秋田のブランドねぎ「白神ねぎ」を手がける有限会社大和農園では、春どりから夏秋どり、雪中ねぎまで周年で13haのねぎを栽培していらっしゃいます。なかでも圃場の土中で貯蔵する雪中ねぎは、「白神雪中ねぎ」として高値で取引されているのだとか。雪中ねぎは11~12月に収穫したねぎを、圃場に掘った溝の中に立て不織布をかけて、雪の下で貯蔵。そうすることで甘みが増し、糖度はなんと13度にも及ぶと言います。
「雪の下で凍ったねぎを1月に掘り出してハウスの中で3~4日かけてゆっくり溶かし、皮をむいて袋詰めして1~3月に出荷します。雪中ねぎはなんといっても、貯蔵の手間がかかるので大変です。雪が降る前に貯蔵用のねぎを掘らないといけないので、スピード勝負。収穫機だけじゃ間に合わないので、うちの従業員20人が人力でねぎを掘っています。また、圃場で貯蔵する関係上、葉が痛んだりやせたりして歩留まりがよくないのも苦労する点ですね」と話すのは、有限会社大和農園の代表を務め、同社以外にも2つの法人を経営する大塚さんです。
雪中ねぎは6ha作付する、同社の主力商品。5~6月に定植し、夏秋に生育することから、6~10月まで病害虫防除のピークを迎えます。
大塚さんの圃場では、通常2週間ごとの防除を実施していますが、害虫の発生が増えてくると7~10日ごとに防除を実施。以前よりアグロスリン乳剤をローテーションの中で2回程度、ブームスプレイヤーで散布しているのだそうです。
「アグロスリンは上市当初から使っていますが、防除効果が高いですね。去年、今年と2年続けてシロイチモジヨトウが多発したんですが、アグロスリンを散布すると被害が止まるんです」。
作業を省力化するためにアグロスリン乳剤を散布する液量をできるだけ少なく抑え、10aあたり120ℓで散布しているという大塚さん。その裏には大きな理由がありました。
「害虫防除は密度を上げないことが大事。予察情報や圃場の観察をもとに早めに防除することで、10aあたり120ℓでもきちんと密度を抑えることができます。アグロスリンはシロイチモジヨトウだけではなく、近年増加しているネギアザミウマ、ネギハモグリバエといったねぎの重要害虫を同時防除してくれる。だから安心感があるんです」と大塚さんは言います。また、大塚さんの農業資材パートナーである株式会社池田の高木龍治さんも、「アグロスリンは効果にブレがない。定番中の定番です」と評価してくださいました。
従業員のレベルアップを図っていくことで、大面積でも管理の行き届いた高品質なねぎを手がけていきたい、と話す大塚さん。白神ねぎ産地全体の中核をなす法人として、今後もその活躍に注目が集まります。