別名蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山の大きさに見とれながら車を走らせていると、鮮やかなグリーンの葉が印象的なにんじん畑が見えてきました。にんじん6.5ha、ばれいしょ10ha、小麦10ha、大豆・小豆7haなどを作付する、村上正一さんの圃場です。村上さんはJAようてい 人参生産組合の組合長を務め、奥様、ご長男とともに農業経営に従事。
定期的に関東・関西をはじめとする市場との商談、反省会に奔走するなど「ようていブランド」の価値向上にも注力していらっしゃいます。村上さんの目下の課題は、農業経営の効率化。村上さんのみならず、JAようてい管内では人手不足をカバーするために、どのように作業効率化を図るかに腐心されているのだとか。
「例えば、トラクターにGPSをつけて自動直進運転にすれば、圃場の整地や播種作業は格段に楽になるし、そこに必要な人材の削減にもつながります。しかし、GPSや各種センサーなどの機械化には高額な投資が必要。減価償却できなければ意味がないので、現状ではなかなか導入が難しいんです。だから、こうした機械化による作業の省力化は、地域で利用組合をつくって共同利用するなど、将来の人手不足に備えて、検討していく必要がありますね」。
今後は「いかに持続できる農業を展開していくかが問われる。そのために必要なのが、作業省力のための機械や、安定した効果で使いやすい農薬」と村上さんは言います。
JAようていでは、ばれいしょ、にんじんの防除暦にゲットアウトWDGが長く採用されており、村上さんの農場でも、ゲットアウトWDGが活躍しています。その使用時期と導入のポイントについて伺いました。
「にんじんでは、アブラムシ類、ヨトウムシ対策に生育期前半で使っています。また、ばれいしょでは、生育期前半にアブラムシ類を対象として3~4回散布しますね。にんじんも、ばれいしょも3000倍液で使えるのですごく使いやすいし、ばれいしょは4回まで散布できるので重宝しているんですよ」。
JAようてい 第3ブロック営農推進センターの泉 信宏さんも、「管内の作物に幅広く登録があって、現地試験でも確かな効果を確認しているので、以前から防除暦に採用しています」とゲットアウトWDGについてお話しくださいました。
「ゲットアウトWDGは1剤でにんじん、ばれいしょ、大豆・小豆といったうちの主要作物に使えるから、すごく便利なんです。いつもまとめて購入するようにしていますね」と村上さんは評価します。
安全・安心な農作物をつくりながら、いかに持続可能な農業をしていくか。そのためにも後継者の若手には、ぜひ頑張ってほしい。そう話す村上さんは、一人の農業経営者でありながら、人参生産組合の組合長として、産地の将来を見据えていらっしゃいます。