温州みかんのブランド『さが美人』で知られるJAさが。そのメイン産地である佐城エリアでは、上野早生、宮川早生、大津4号、青島など温州みかんの栽培が盛んです。その佐城エリアの果樹全般の営農指導を担当されているのが、JAさがの赤瀬川 智さん。まず、『さが美人』ブランドへの取り組みついてお話を伺いました。
「糖度、酸度、外観など厳正な基準をクリアしたみかんだけを『さが美人』として全国に出荷しています。ブランド登録園制度を採用しており、糖度を高めるマルチ被覆、土壁の貯蔵室で1ヵ月以上貯蔵する本貯蔵といった条件を満たした園地でなければ、さが美人として出荷できません」。
『さが美人』ブランドは、糖度の高い順に『プレミアム天山』『さが美人』『天山』『レギュラー』に分かれており、プレミアム天山では13度以上にも達するそうです。
「中山間地が多いので害虫の発生も多く、防除による害虫の被害防止に努めています。被害果は2級品や加工品となり、生産者の方の手取りが下がってしまうので、病害虫防除の指導はとりわけ重要です」。
JAさが佐城エリアでは、上市当初よりロディー乳剤をご使用いただいております。かんきつの生産現場では広く活用されており、現場の満足度が高い薬剤なのだとか。
「ロディー乳剤は、訪花害虫、チャノキイロアザミウマ、ケムシ類、アブラムシ類に効果が高いので、満開前の初期防除に重宝しています。また、カメムシの防除効果が高いのもポイントですね。いまでは、『困ったときに頼りになる薬剤』として広く認知されており、コストパフォーマンスも優れているので、生産者の皆さんにすすめやすい薬剤なんです」と赤瀬川さん。また、6月27日付でかんきつに適用拡大されたスミロディー乳剤についても、適用害虫が幅広く使いやすいので大きな期待を持たれています。
ここ5年ほど、JAさが管内のかんきつ販売単価は右肩上がりなのだそうです。その理由は、安定した高品質にあるのだとか。「販売単価を維持するために、これからもかんきつの品質向上の指導に努めていきたい」。私たち取材チームが見た赤瀬川さんは、産地維持活動に意欲を燃やす、情熱の人でした。