今回お邪魔したのは、はくさい生産量日本一の茨城県です。有限会社 菅井ファームは、圃場の写真をレイアウトした大きな社名ディスプレイが印象的。代表の菅井 好さんをたずねて作業所に伺うと、目に飛び込んできたのは海外製の大型トラクターでした。それもそのはず、菅井ファームでは、春はくさい7ha、秋冬はくさい15haのほかレタス、夏ねぎといった作物を総勢11名のスタッフで大規模に手がけていらっしゃるそうです。そんな菅井さんに目下の課題を伺いました。
「はくさい、レタスは連作障害が出やすいので、ねぎを加えた3年サイクルで輪作を心がけているよ。それと、近年は規模拡大に伴って従業員が増えてきたので、収益の安定化が課題。そのために、契約栽培の比率を高めて収益の安定化を図るようにしてるんだ」。
そんな菅井ファームの大敵は、はくさいのアブラムシ。契約栽培で漬物メーカーに出荷している関係上、とりわけ病害虫防除には細心の注意が問われるのだそうです。
「袋詰めした漬物に、もしアブラムシが混入していたら大問題。だから、防除にも間違いがあっちゃいけないんです」。
菅井さんは、はくさいの防除にアディオン乳剤を愛用。ローテーションの中で結球前の初期防除に使用していらっしゃいます。春作、秋冬作ともに必ず1回は使うのだとか。
「アブラムシは、はくさいの中に入り込んで結球しちゃうと防除できないから、結球前におさえておかないとダメ。アディオン乳剤は、効き目がシャープな印象だね。速効性があってアブラムシの密度をしっかり下げてくれるし、アオムシとかコナガにも効くから助かる」。
幅広い害虫に効く合成ピレスロイド剤は、ローテーションの中に1回は必ず入れておきたい、と話す菅井さん。アディオン乳剤を愛用する理由は、アブラムシへの効果だけではありません。登録作物の幅広さが使いやすさのポイントなのだと言います。
「アディオン乳剤はレタスやねぎにも登録があるでしょ。 だから、安心して使えるんだ。ねぎは導入してまだ2年だから、防除も試行錯誤。次作からねぎのローテーション防除にもアディオン乳剤を試してみたいね」。
後継者であるご長男とともに「品質を保ちながら、野菜生産の規模拡大を図っていきたい」と話す菅井さん。農業生産法人として、今後さらなる飛躍を見せてくれるに違いありません。