青森と言えばにんにくの大産地。今回は小川原湖や三沢基地にほど近いエリアに3.6haのにんにく圃場をもつ、住化テクノサービス株式会社を訪問しました。同社ではにんにくの種苗生産・販売を手がけており、人気の優良品種「白玉王」は、糖度約38度という高糖度で、表皮が白く大玉のにんにく品種です。
「昨年の青森県にんにく共進会において、最優秀賞、優秀賞を獲得した生産者の方の栽培品種が『白玉王』でした。同じ2L規格でも、従来他品種よりも一回り大きく、生産者の皆さまの手取りアップにつながっているようです」と話す山本さん。
生産者からの引き合いが強い優良品種「白玉王」。種苗生産ならではのご苦労を江刺家さんに伺いました。
「にんにく栽培は、やはり高品質で健全な種苗を使うことが大切です。隔離された採種圃場では、車のタイヤや靴底の洗浄を徹底するなど圃場外からのイモグサレセンチュウの持ち込みを防止しています。また、目視によるウイルス罹病株抜き取りのほか、出荷前にウイルス検査を実施し、健全な種苗の出荷に努めています」。
人的要因によるイモグサレセンチュウ持ち込みのほか、アブラムシなど害虫が媒介するウイルス感染防止も、重要なポイントだそうです。『白玉王』の採種圃場では、9月下旬から10月上旬に植付け、6月下旬に収穫をされていますが、その間に殺虫剤、殺菌剤を中心に病害虫防除を12~13回実施されているのだとか。同社では今年からアディオン乳剤を、ローテーション防除のプログラムに採用。4月中旬と5月中旬に1回ずつ散布していらっしゃいます。
「4月は予防的な意味合いで使用し、アブラムシ類の発生ピークである5月にはアブラムシの増殖を抑えるためにアディオン乳剤を使用していますが、速効性があって確実に効きますね。アブラムシの姿を圃場で見たことはありません。ここが一番大事というときに使いたい薬剤です」と佐藤さんは力を込めます。
また、収穫前日まで使えて便利なことと、3000倍で散布できてコスト低減できることもメリットなのだそうです。
「にんにくの種苗、液肥、農薬。JAや生産者の方にトータルで提案できるのが弊社の強みです」と口をそろえる皆さん。徹底した生産管理で日本全国のにんにく種苗を担いたい──そんなビジョンを掲げつつ、今年もまた採種圃場でにんにくの栽培がはじまります。