クルマで神戸市から明石海峡大橋を渡り、瀬戸内海最大の島である淡路島にやってきました。その3分の1を占めるJAあわじ島管内では、たまねぎ1300ha、レタス1000haのほか、はくさい、キャベツ、ブロッコリーなど多彩な野菜が生産されています。なかでもたまねぎ、レタスは管内販売高の8割を占める重点品目。秋冬レタスは国内トップレベルの生産量を誇ります。
管内産の「あわじ島レタス」は、10月から5月まで長期間にわたり出荷。10~11月どりレタスでは、育苗期の防除がとりわけ重要だそうです。JAあわじ島の原田さんに、防除についてお話を伺いました。
「定植、生育時期の9~11月は害虫発生がピークを迎えるので、防除は必須です。特に育苗期は最も重要。苗が健全でないと品質・収量の低下につながり、最終的には農業収益減になりますからね」。
JAあわじ島では、3年前からレタスの防除暦にアディオン乳剤を採用。10~11月どりレタスでは、苗床で1回、定植3週間後に1回、アディオン乳剤を散布するよう指導されています。
「高温な時期の散布でも苗床での薬害はほとんどありません。ヨトウムシに効果が高く、速効タイプなので、本圃へのヨトウムシ持ち込みを予防できます。また、作付面積が大きいと、どうしても本圃での害虫密度が高まってくるので、定植3週間後にもう1回アディオン乳剤を組み込み、ヨトウムシやアブラムシの密度低下につなげています」。
使いやすさもアディオン乳剤を採用した大きなポイントなのだとか。その使いやすさの理由について原田さんはこう言います。
「高価な新剤が多い中、アディオン乳剤は価格が手ごろで、2000~3000倍で使えるので生産者も導入しやすい。それと作物登録も幅広いので、レタス以外の野菜にも使えて便利です。管内ではレタスとキャベツの複合経営も多いので、農家さんにすすめやすい剤ですね」。