明治38年創業の株式会社 坂宗は、地元に根付いた農業資材・畜産飼料・穀物の専門商社です。周囲に狭山茶の茶畑を見渡しながら車で走ると、同社の看板が見えてきました。「暑いところ、ご苦労さん」と迎えてくださったのは、同社4代目の坂本社長です。同社が推進しているのは、農業資材、畜産業、農業の循環ネットワーク。
「例えば、養鶏場のお客さんに、水稲農家さんから契約栽培して頂いた飼料米を持っていき、そこでいただいた鶏糞を肥料農薬とともに水稲農家さんにお戻しする。こうした循環の輪でお客様と当社がつながっているんです」。水稲農家はもちろん、多くの茶農家に農業資材を提供する坂本社長は、毎年独自の『狭山茶栽培暦』を作成し、周辺の茶農家の病害虫防除指導に当たっています。
坂本社長は『狭山茶栽培暦』の基幹防除剤にロディー乳剤を採用。その背景を社長にお伺いしました。
「二番茶摘採前の6月と秋冬番摘採前の9月は、ハマキムシ(チャハマキなど)、ウンカ(チャノミドリヒメヨコバイ)、ダニが問題になります。ロディー乳剤はハマキムシやウンカに効果があるほか、幅広い害虫に効果があるので、ウンカの密度が高まる6月の基幹防除に採用しました」と坂本社長。ロディー乳剤は残効が長く、特にチャノミドリヒメヨコバイへの効果が優れているのだそうです。
坂本社長に信頼を寄せる茶農家の一人、入間市の野村さんも同社の栽培暦に準じて防除を実践。ロディー乳剤の使用も今年で3年目になります。 「ロディー乳剤は、ウンカへの残効が長いですね。また、チャハマキもほとんど出ていません」と野村さんもその高い効果について口をそろえます。
「チャトゲコナジラミやチャノコカクモンハマキも同時防除できるので、茶農家にとっては安心感がありますね」と坂本社長。環境共生型の減農薬栽培を心がける野村さんとともに、狭山茶の産地をこれからも守り続けていくことでしょう。