「ホワイトショコラ」「雪の妖精」と聞くとケーキやお菓子といったスイーツを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実はこれ、スイートコーンの白粒種の品種名。音更町木野地区を管内とするJA木野では、富良野地区に次いでいち早く白粒種の産地化に着手し、現在では20haの白粒種を作付しています。白粒種は果皮が柔らかく甘みが強いのが特徴ですが、黄粒種とくらべて樹勢が弱く栽培が難しいのだとか。栽培場所にも注意が必要で、黄粒種の圃場近くで栽培すると交雑しやすいそうです。
「白粒種に黄粒が混じってしまったら商品価値がなくなるので、黄粒種の圃場から離れた丘や河川の近くとかに栽培することが多いんです。山や河川が近いと害虫が多く、甘みの強さもあって食害もされやすい。だから害虫防除は必須です」と話すのは、JA木野の宮脇さん。近年は夏の夜温が高いことから、アワノメイガがスイートコーンに加害することが増えてきたそうです。それに加えて、今まで使っていた一部系統の殺虫剤の効果が落ちる殺虫剤抵抗性が発達したことから、代替剤を模索していたと言います。
「そこで去年導入したのがパーマチオン水和剤でした。早速、JAの農場で試験したんですが、想像していたよりもずっとアワノメイガへの効果が高かった。だから代替としてピタッとハマったんです」と宮脇さん。葉根菜部会の部会長や部会の方々にも試していただいたそうで、「アワノメイガによく効いた」と好評だそうです。
「パーマチオン水和剤はアワノメイガへの効果が高いので、発生密度が高まる開花期に1回、その後9月までの間にもう1回、ローテーション防除の中に組み込みたいと考えています」と宮脇さん。パーマチオン水和剤は、2成分(合成ピレスロイド系と有機リン系)配合ですが、りんごやなしなどの果樹登録をメインとした殺虫剤であることから、十勝エリアでは今まで採用されたことがない無名の存在でした。
「パーマチオン水和剤は以前からある剤ですが、とうもろこしやだいずといった作物では、ある意味ニューフェイスと言っていいかもしれません」。
今夏から本格的に普及していきたい、と宮脇さん。アワノメイガ対策のニューフェイスの大活躍を期待せずにはいられません。