季節は初夏。色鮮やかなラベンダー畑が広がる国道を走り、観光名所としてもにぎわう富良野市へやってきました。本日お伺いしたのは2400haにも及ぶたまねぎの大産地、JAふらの管内です。同JA管内では北はやて2号、オホーツク222、北もみじ2000などのたまねぎ品種を作付。農家戸数減少に伴い、作業省力化が課題となっており、機械の大型化が進んでいるそうです。
「高齢化で農家戸数は減っていますが、1戸ごとの作付面積は増える傾向にあります。課題の省力化対策として、移植機、収穫機、ブームスプレイヤーなどの大型化が進み、それぞれの処理能力も大幅アップしました」。
夏場の雨後は圃場がぬかるんでいてスプレイヤーが入りにくいので、ドローンで農薬散布できるようになれば……と阿部さんは今後の可能性を見据えます。ドローンの農薬登録や積載容量の大型化が進捗すれば、近い将来には本格的にドローンによる農薬散布が当たり前の時代が来るのかも知れません。
省力化とともに、今後の課題となるのが収益性向上です。いかに腐敗球や規格外品を出さずに歩留まりを高めていくか。そのためには、適期防除・効果的な防除は欠かせません。同JA管内ではたまねぎのネギアザミウマが問題害虫で、6月下旬から8月下旬に多発生し、加害されると葉が白くなり肥大不足や収量減になるのだとか。同JA管内では、以前からたまねぎの防除暦にゲットアウトWDGを採用し、5月下旬と8月上旬に1回ずつ散布するよう指導されています。
「ネギアザミウマの密度を一気に下げるために、ゲットアウトWDGを使っています。速効性や防除効果の高さはもちろんですが、てんさい、ばれいしょ、麦、だいずなど畑作物の登録が多いのも魅力です。たまねぎ畑の横で麦などをつくっていることも多いので、使いやすいですね。また、3000倍で使えるのでコストパフォーマンスにも優れます」。
麦類での希釈倍数が3000~4000倍に適用拡大されたことも、「ますます使いやすくなった」と太鼓判を押す阿部さん。今年もたまねぎにネギアザミウマの被害は出ていないので、来年もゲットアウトWDGは定番です、と今後について力強くお話しくださいました。