佐藤錦、紅秀峰、高砂、紅てまりといったおうとう40aと、もも・ぶどう・かきを合わせて200aを自宅で手がけ、JA南アルプス市で営農指導に活躍する手塚さんにお会いしたのは、猛暑が続く7月のこと。事務所にお邪魔し、おうとうづくりについてお話を伺いました。
おうとうは結実が不安定なので、貯蔵花粉や生花粉によるていねいな受粉作業が大事なのだそうです。下に向いて咲いている花は授粉用のハチが止まりにくいことから、手作業でまんべんなく受粉作業をしていきます。また、摘果による調整も重要で、糖度低下や玉張りの不良を防ぐために、1クラスターあたり1.5果程度に調整するのがポイントなのだそうです。
手塚さんがご自宅で手がけるおうとうは、1~3月まで剪定、4月上中旬に摘蕾・受粉、5月上旬に摘果、5月中下旬~6月下旬に収穫を迎えます。
害虫発生がピークを迎えるのは6月上旬から中旬にかけて。果実の食害により重大な被害をもたらすショウジョウバエは、防除必須の重要害虫です。手塚さんは、害虫発生ピークの6月上旬から中旬にかけて、アディオンフロアブルを1~2回散布。愛用歴は20年に及ぶと言います。使い続ける理由を手塚さんにお聞きしました。
「6月はショウジョウバエなど害虫密度が一番高まる時期。その時期に散布しても効果にブレがない。害虫がいなくなったのが目に見えて分かるんです。速効性もあるし、ショウジョウバエの防除効果はほかの剤と比べて一番シャープです」。
また、防除効果の高さ以外にメリットが多い点も、長年使い続ける理由なのだとか。
「果実に薬液の汚れが残ったら1つ1つ拭かないといけないから、汚れが残りにくいのは助かります。それと、アディオンフロアブルはおうとう以外にも、もも、すもも、ぶどうなどの果樹に登録がある。この管内ではこれらの果樹の複合経営も多いので、一斉防除するんです。だから、アディオンフロアブルは使いやすい。1つ持っていれば、他の果樹の防除にも使えるし、万が一のドリフトにも対応できますからね」。
JAの防除暦にも採用されているアディオンフロアブル。管内の営農指導でも、害虫ピーク期の散布指導を徹底していきたい、と指導者としての活動も精力的です。