全国の八幡神社の総本山である宇佐神社に近づくと、辺り一面にねぎの圃場が見えてきます。今回訪問したのは、そんなねぎの大産地 豊後高田市で春ねぎ、夏ねぎ、秋冬ねぎを手がける近藤さんです。近藤さんの圃場は海が近く、砂壌土であることから、土寄せにも配慮が必要なのだとか。
「ねぎの状況を見ながら、追肥や土寄せをしていくんだけど、圃場が砂地なので雨が降って土が湿って固まらないと土寄せできないんです」と近藤さん。高品質なねぎづくりのために、次作に備えた収穫後の土壌消毒や牛糞堆肥投入、病害虫防除は欠かせないといいます。
そんな近藤さんが最も注意を払っている害虫が、ねぎのシロイチモジヨトウ。卵からふ化した幼虫が葉の中に入り込み、地上部を食害。ひどいときは一晩でほとんど食べつくしてしまうそうです。しかも、葉の中に入り込んでしまってからでは、殺虫剤がかからずに防除が難しいのだと言います。
近藤さんは就農当初から、ねぎの害虫防除にアグロスリン乳剤を愛用。かれこれ30年近く使い続けているそうです。
「就農した当初、ねぎ農家の仲間からすすめられて使ったんだ。これは効くよって教えられてね」と近藤さん。メインの秋冬ねぎでは、夏期の定植から秋冬期の収穫までの間に10回程度病害虫防除を行ううち、ローテーションの中で3~5回程度、アグロスリン乳剤を動噴で軽トラックから散布していらっしゃいます。
「シロイチモジヨトウはもちろん、アザミウマ、ネギハモグリバエも同時に抑えられるじゃないですか。それが使いやすい点だね。散布したあと、シロイチモジヨトウが葉の上で死んでいるのを見ると、あ、効き目が速いなって思います」。
シロイチモジヨトウ防除のポイントは、ふ化した幼虫が葉の頂上部に見えたら、葉の中に潜り込む前に早めにアグロスリン乳剤を散布することだそうです。
「なんで昔からアグロスリン乳剤を使っているかって? やっぱりシロイチモジヨトウへの安定した効果じゃないかな。シロイチモジヨトウにあんまり効かない剤もありますから」。
近藤さんはアザミウマ類の防除にディアナSCも愛用。こちらも長年愛用されています。
機械化を進めて規模拡大していきたいと意欲的な姿が印象的な近藤さん。産地のブランドを支えるそのご活躍に、私たち取材チームも大きな期待をかけずにいられません。