農薬/肥料のよくあるご質問(Q&A)


ご質問と回答

”りんご”や”なし”の黒星病に以前から使用している薬剤の効果が悪くなり防除薬剤の選定に困っています。「カナメフロアブル」は新規(SDHI剤)化合物と言うことでりんごやなしの黒星病に対して効果が高いと聞きます。使用したく検討していますが、どの時期に使用すれば良いでしょうか。また、使用の際に注意することがあれば教えてください。
①”りんご”や”なし”の黒星病はVenturia属という病原菌により引き起こされますが、本病は発病期間が長く、開花前から収穫・落葉期まで防除が必要な病害です。 黒星病の感染(一次)は開花・新葉期に飛散する子嚢胞子により起こり、この時期に如何に感染を抑えるかがりんご、なし黒星病防除のポイントです。
②近年まで、黒星病に対して優れた予防・治療効果を有するDMI剤(混合剤も含む)が上述の黒星病防除の最重要時期に使用され、黒星病に加え赤星病やうどんこ病に対しても高い効果を示してきました。
③最近、DMI*剤に対して感受性が低下してきたりんごやなしの黒星病菌が報告され、黒星病に対する防除効果の低下が顕在化して、作用性の異なる予防・治療効果を有する新規系統の薬剤の製品化が生産現場から要望されていました。
④カナメフロアブルは上記DMI剤に感受性が低下した黒星病に対して有効な(交差耐性を示さない)新規系統であるSDHI**剤であり、りんごやなし黒星病に対して極めて高い予防・治療(特に、治療活性が優れる)を有します。そのため開花期前後の黒星病防除の重要ポイントに位置づけられます。また、本剤は担子菌類に対して高い効果を有するので、黒星病に加え赤星病も同時防除が可能な薬剤です。
⑤りんごやなしに対して薬害はありませんが、蚕に対して影響がありますので周辺の桑葉にはかからないように散布してください。かかった場合は3日間は給桑をしないようにしてください。
*:糸状菌のステロール生合成(脱メチル化)阻害剤   **:糸状菌のコハク酸脱水素酵素阻害剤

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