農薬/肥料のよくあるご質問(Q&A)


ご質問と回答

かんしょ基腐病を対象にしたベンレートの使用方法が、「苗基部浸漬」から「苗浸漬」に変更になったと聞きました。使い方を詳しく教えてください。
かんしょの栽培で、本圃へ植え付ける「挿し苗」は、健全な種いもを育苗床に伏せこみ(植付け)、種いもから萌芽して伸長したツルを切り取って作ります。従来、ベンレート水和剤には基腐病対象に、「希釈倍数:500~1000倍、使用時期:植付前、使用方法:30分間苗基部浸漬」の適用がありましたが、使用方法が「基部苗浸漬」から「苗浸漬」に適用拡大されました。従来の方法でも、苗の切り口からベンレート水溶剤を吸い上げることで基腐病に対する防除効果を発揮しますが、この病害は薬液が付いていない苗上部の傷などからも侵入することが確認されました。そのため、使用方法が、苗全体を薬液に浸漬する「苗浸漬」に変更されました。これによって、より安定した防除効果が期待できるようになりました。

薬液の吸収を良くするため、苗の切り取り後、浸漬処理は速やか(当日)に行います。処理は、苗全体が薬液に浸かるように十分な薬液量を用いて行います。また、希釈液が古いと有効成分の分解や希釈液の物理化学性の変化などが原因で有効成分が十分取り込まれなくなる恐れがあるため、毎回、処理当日に希釈した液に浸漬することをお勧めします。なお、浸漬処理した苗の植付までの日数(取り置き期間)は季節により若干前後しますが、通常4~5日程度(発根の兆しが見える頃)が移植の適期と考えられます。取り置き条件によってはもう少し長い、”苗が萎凋しない程度(7日後)まで” 可能な事例もありますが、弊社には詳細な知見はありません。

なお、ベンレート水和剤には、「種いも粉衣」の適用もあります。ベンレート水和剤の有効成分「ベノミル」のかんしょでの総使用回数には、「植付前まで1回」の制限があるため、ベンレートを処理した種いもから切り取った苗を採種した場合、苗浸漬処理ができないように思えますが、実際はそのようなことはありません。かんしょの場合、この苗に1回使用したベノミルの使用回数のカウントは苗を切り離した時点で終わり、この苗を用いて栽培するかんしょ(いも)についてのベノミルの使用回数は、ここから改めてカウントが開始されます。

言い換えますと、かんしょ(芋)への使用回数は、「定植用挿し苗を切り離してから収穫終了までの回数」となります。従って、ベンレート水和剤を種いもに処理していても、この苗浸漬処理は実施できます。種いもの代わりに、挿し苗から定植用の苗を育てた場合も同様に、切り離した時点で使用回数がリセットされます。なお、苗浸漬を実施した場合、「挿苗時」の「株元灌注」処理はできませんのでご注意ください。

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