使用上の注意
効果・薬害等の注意
● 使用量に合わせ薬液を調製し、使いきる。
● ボルドー液と混用する場合は散布直前に行い、できるだけ早く使用する。ただし、その他のアルカリ性の強い農薬との混用はさける。
● 桃の初期散布(5~6月)には薬害のでることがあるので注意する。
● 稲(箱育苗)のイネシンガレセンチュウに使用する場合は下記の事項に注意する。
○ 発芽期~緑化期の使用は薬害を生じるおそれがあるのでさける。
○ 軟弱徒長苗、ムレ苗などの場合は薬害を生じるおそれがあるので使用しない。
○ 土壌が極端に湿潤な場合は使用しない。
● イネシンガレセンチュウの本田における防除に使用する場合、散布適期は出穂の頃であるので時期を失しないように散布する。なお効果を高めるためには出穂始めとその1週間後の2回散布が望ましい。
● 水稲種子の吹き付け処理の場合は、専用の種子消毒機を使用し、乾燥種籾に均一に付着するよう所定薬液を吹き付けて乾燥する。なお処理後、長期間保存する場合には、薬液処理を行ったことを明記し、まちがいのないようにする。
● 本田の水稲に対して希釈倍数 300 倍で散布する場合は、所定量を均一に散布できる乗用型の速度連動式地上液剤少量散布装置を使用する。
● クワゾウムシに対しては成虫が桑樹に集まる4月下旬から6月頃に散布する。
成虫の活動は長期間にわたるので発生状況に応じて追加散布する。
● かきのミノガ類に使用する場合、幼虫が大きくなると効果が劣るので若令幼虫期に時期を失しないように散布する。
● 果樹のカメムシ類に対しては発生に応じて所定使用回数以内で繰返し散布する。
● 自動車、壁などの塗装面、大理石、御影石に散布液がかかると変色するおそれがあるので、散布液がかからないよう注意する。
● 空中散布及び無人航空機による散布に使用する場合は次の注意を守る。
○ 散布は各散布機種の散布基準に従って実施する。
○ 少量散布(8倍液)の散布には、微量散布装置以外の散布器具は使用しない。
○ 無人航空機による散布にあっては散布機種に適合した散布装置を使用する。
○ 散布中、薬液の漏れのないように機体の散布配管その他散布装置の十分な点検を行う。
○ 特定の農薬(混用可能が確認されているもの)を除いて原則として他の農薬との混用は行わない。
○ 水源地、飲料用水等に本剤が飛散流入しないように十分注意する。
○ 散布終了後は次の事項を守る。
・使用後の空の容器は放置せず、安全な場所に廃棄する。
・機体の散布装置は十分洗浄し、薬液タンクの洗浄廃棄液は安全な場所に処理する。
● 希釈倍数 250 倍で散布する場合は、少量散布に適合したノズルを装着した乗用型の地上液剤散布装置を使用する。
● 梨の早生赤種、りんごの旭及びその近縁種には薬害のでることがあるので使用はさける。
● 宿根かすみそうに使用する場合、開花期には薬害を生じることがあるので、この時期の使用はさける。
● あぶらな科作物、さといも、ソルゴには薬害を生じるおそれがあるので、付近にある場合にはかからないように注意して散布する。
● ひのきに対しては個体によって落葉、枯損にいたるおそれがあるので、付近にある場合にはかからないように注意して散布する。
● ほうれんそうに使用する場合、幼苗期には薬害を生じるおそれがあるので注意する。
● 牧草地に散布した場合は、散布直後の放牧はさける。
● まめ科牧草のアルファルファゾウムシに使用する場合は、幼虫発生期~成虫発生初期に散布する。なお、防除適期等については病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
● かんきつのミカンツボミタマバエ防除に使用する場合は、成虫の発生初期に樹冠部及び主幹部を中心とした樹の内部、樹冠下の地表面に散布するのが効果的である。
● 芝のコガネムシ類幼虫に使用する場合は、散布液が土壌中に十分しみ込むようジョロ等で1㎡当り3リットルを散布する。
● フラーバラゾウムシ及びミカンキジラミに使用する場合は、植物防疫(事務)所、病害虫防除所等関係機関の指導のもとに実施する。
● 適用作物群に属する作物又はその新品種に本剤を初めて使用する場合は、使用者の責任において事前に薬害の有無を十分確認してから使用する。
なお、普及指導センター、病害虫防除所等関係機関の指導を受けることが望ましい。
安全使用上の注意
● ミツバチに対して影響があるので、以下のことに注意する。
○ ミツバチの巣箱及びその周辺に飛散するおそれがある場合には使用しない。
○ 受粉促進を目的としてミツバチ等を放飼中の施設や果樹園等では使用をさける。
○ 関係機関(都道府県の農薬指導部局や地域の農業団体等)に対して、周辺で養蜂が行われているかを確認し、養蜂が行われている場合は、関係機関へ農薬使用に係る情報を提供し、ミツバチの危害防止に努める。
● 蚕に対して影響があるので給桑を予定している桑葉にはかからないようにする。
● 誤飲などのないよう注意する。
● 解毒剤としては硫酸アトロピン製剤及びPAM製剤が有効であると報告されている。
● 眼に対して刺激性があるので眼に入らないよう注意する。
眼に入った場合には直ちに水洗し、眼科医の手当を受ける。
● 皮ふに対して刺激性があるので皮ふに付着しないよう注意する。
付着した場合には直ちに石けんでよく洗い落とす。
● 散布の際は農薬用マスク、不浸透性手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用する。
作業後は直ちに手足、顔などを石けんでよく洗い、洗眼・うがいをするとともに衣服を交換する。
● 作業時に着用していた衣服等は他のものとは分けて洗濯する。
● かぶれやすい体質の人は取扱いに十分注意する。
● 水産動植物(魚類)に影響を及ぼすので、養魚田では使用しない。
本剤を使用した苗は養魚田に移植しない。
● 水産動植物(甲殻類)に影響を及ぼすので、河川、養殖池等に飛散、流入しないよう注意して使用する。
● 空中散布または無人航空機による散布で使用する場合は、河川、養殖池等に飛散しないよう特に注意する。
● 散布後は水管理に注意する。
● 使用残りの薬液が生じないように調製を行い、使いきる。散布器具及び容器の洗浄水は、河川等に流さない。また、空容器、空袋等は水産動植物に影響を与えないよう適切に処理する。
● 浸漬後の薬液は、河川等に流さず、水産動植物に影響を与えないよう適切に処理する。
● 街路、公園等で使用する場合は、使用中及び使用後(少なくとも使用当日)に小児や使用に関係のない者が使用区域に立ち入らないよう縄囲いや立て札を立てるなど配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払う。
● 危険物第四類第二石油類に属するので火気には十分注意する。
● 火気をさけ、直射日光が当たらない低温な場所に密栓して保管する。
火災時の措置
●非危険物の場合:火災時は、適切な保護具を着用し水・消火剤等で消火に努める。
●乳剤等危険物の場合:火災時は、適切な保護具を着用し乾燥砂・消火剤等で消火に努める。
漏出時の措置
●粉剤・粒剤・水和剤等固体・粉体の場合:漏出時は保護具を着用し掃き取り回収する。
●乳剤・液剤等液体の場合:漏出時は保護具を着用し布・砂等に吸収させ回収する。
輸送上の注意
●移送取扱いは、ていねいに行う。
廃棄上の注意
使用量に合わせて薬液を調製し、使い切る。空容器は圃場などに放置せず、3回以上水洗し、適切に処理する。洗浄水はタンクに入れる。
廃棄に関する注意
【A.希釈せずに使用する粉剤・粒剤等で、魚毒性が低い農薬の場合】
使用量に合わせて秤量し、使い切る。空容器、空袋は圃場などに放置せず適切に処理する。
【B.希釈せずに使用するフロアブル剤で、魚毒性が低い農薬の場合】
使用量に合わせて秤量し、使い切る。空容器は圃場などに放置せず、3回以上水洗し、適切に処理する。洗浄水は圃場等で使用する。
【C.希釈して使用する水和剤・水溶剤等で、魚毒性が低い農薬の場合】
使用量に合わせて薬液を調製し、使い切る。空容器、空袋は圃場などに放置せず適切に処理する。
【D.希釈して使用する液剤・乳剤・フロアブル剤等で、魚毒性が低い農薬の場合】
使用量に合わせて薬液を調製し、使い切る。空容器は圃場などに放置せず、3回以上水洗し、適切に処理する。洗浄水はタンクに入れる。
【E.希釈せずに使用する粉剤・粒剤等で、魚毒性が高い農薬の場合】
使用量に合わせて秤量し、使い切る。散布器具、容器の洗浄水は河川等に流さない。空容器、空袋は水産動植物に影響を与えないように適切に処理する。
【F.希釈して使用する水和剤・水溶剤等で、魚毒性が高い農薬の場合】
使用残りの薬液が生じないように調製し、使い切る。散布器具、容器の洗浄水は河川等に流さない。空容器、空袋は水産動植物に影響を与えないように適切に処理する。
【G.希釈して使用する液剤・乳剤・フロアブル等で、魚毒性が高い農薬の場合】
使用残りの薬液が生じないように調製し、使い切る。散布器具、容器の洗浄水は河川等に流さない。空容器は3回以上水洗し、水産動植物に影響を与えないように適切に処理する。洗浄水はタンクに入れる。