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加害作物 バラ科、ナス科、マメ科、アブラナ科他 虫の生態 越冬卵はモモ、サクラ、バラ等のバラ科植物の芽や皮のくぼみや、暖地ではアブラナ科野菜や雑草に産み付けられる。春に寄生植物が発芽するとふ化幼虫が寄生し、これが幹母になり増殖する。5月末に有翅虫が現れ、分散して多くの作物に加害を開始する。夏場に大発生し、晩秋に有翅虫がバラ科の植物に戻り、交尾して越冬卵を産卵する。 防除のポイント アブラムシ類は高温少雨で多発生する。幼苗期に吸汁加害を受けるとウイルスの感染があるため、育苗期には重点的に残効性の長い粒剤を使用する。生育期には、吸汁による直接の被害とウイルス感染があるので注意が必要である。時に干天が続く時は早めの防除をする。葉裏や巻葉の中に潜むので、浸透移行性のある薬剤を用いる。 薬剤による防除 粒剤:ダントツ粒剤、ベストガード粒剤、スミフェート粒剤、オルトラン粒剤 散布剤: ベストガード水溶剤、アグロスリン乳剤、アディオン乳剤、アディオンフロアブル、粘着くん液剤、オルトラン水和剤、マラソン乳剤、ベニカマイルドスプレー、エコピタ液剤 農文協・野菜病害虫百科から引用 アンダーラインつきの薬剤については、 クリックすると販売会社のホームページが開きます |
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加害作物 ナス科他ほとんどの野菜類や花き類を食害する。 虫の生態 暖地性の害虫で主に関東以西で多発生する。南方からの長距離移動する害虫で、飛来成虫により各地に被害を及ぼす。飛来した成虫により、年に5~6回発生を繰り返す。第1回成虫は4月上旬にフェロモントラップで誘殺される。その後発生を繰り返し8月~10月の誘殺数は一番多くなる。ふ化幼虫は始め集団で葉裏に生息し、大きくなると移動分散し被害を拡大する。老齢幼虫の体長は40mm、体色は褐色~黒褐色になる。 防除のポイント フェロモントラップ等により飛来する成虫を調査する。防除する作物の圃場の内外の雑草を除去する、ネットで成虫の侵入を防ぐ、黄色蛍光灯で交尾行動や産卵行動等を抑制する環境を作る、等の対策を取る。薬剤による防除では、中・老齢幼虫は薬剤抵抗性が発生しやすいため若令幼虫を対象とし、同一薬剤の連用を避け、系統の異なる複数の薬剤によるローテーション散布をする。 薬剤による防除 新しい系統の化合物(プレオフロアブル)、合成ピレスロイド剤(アディオンフロアブル、アディオン乳剤)、BT剤(ゼンターリ顆粒水和剤)、フェロディンSLによる雄成虫の誘引捕殺 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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加害作物 広食性で、寄生植物は100種以上にのぼる。エンドウやアブラナ科野菜やレタス等で被害が多い。 虫の生態 越冬は蛹であるが、暖地では幼虫の場合もある。発生回数は北日本では3~4回で、暖地では4~5回発生する。盛夏は休むが、秋には再び発生する。雌成虫が葉に産卵管で傷をつけ、汁をなめる。小さな傷がつくが、被害にはならない。葉肉に産み付けられた卵がふ化して線状に葉肉を食害する。(俗に字かき虫)多数寄生すると葉がほとんど食害され減収する。 防除のポイントと農薬 レタスでは、生育初期の加害がその後の生育に与える影響が大きいので、ベストガード粒剤を育苗期後半に株元処理をし、定植する。定植後はダントツ水溶剤、プレオフロアブルで防除する。さやえんどうでは幼苗期に被害を受けると莢の付きが悪くなるので、被害発生初期にアディオン乳剤を定期的に散布する。だいこん・かぶではマラソン乳剤で防除ができる。 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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加害作物 リンゴ、ナシ、モモ、オウトウ、ぶどう、うり科、ナス科、いちご、ダイズ、花き類他の野生植物 虫の生態 25℃で、約10日で1世代を繰り返す。産卵数は100~150で、ハダニの中でも増殖率は高い。北日本で10回、暖地で15回発生する。雌成虫は休眠越冬(休眠しない地域もある)。世界的に分布し、薬剤抵抗性発達も早く、難防除害虫である。 防除のポイント 多発生すると防除が困難で、小発生時から防除を徹底する。早期発見・早期防除が重要である。葉裏に寄生するので、葉裏にも十分量を散布する。散布ムラがあるとそこから急激に密度を回復する。抵抗性が発達しやすいので、異なる系統のダニ剤をローテーションで防除する。チリカブリダニは、ダニの発生密度の低いときから導入する。露地では、天敵に影響のある合ピレ・有機りん剤はできるだけ避ける。 薬剤による防除 オサダン水和剤・オサダンフロアブル・ビルク水和剤・ロディー乳剤 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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加害作物 果樹類・樹木類 虫の生態 幼虫や雌成虫が、新芽・花蕾・花柄・果実・葉裏・葉柄・枝・幹の粗皮下等や、地上部のあらゆる所に寄生し吸汁する。加害の激しい時には成長が止まり、枯死枝を生じる。排泄液は葉面や果実をべたつかせ、すす病を誘発する。また、卵嚢の綿状ロウ分泌物が著しく商品価値を低下させる。体がロウ状物で覆われているので、薬剤による防除が困難である。 防除のポイント 冬季防除ではマシン油乳剤で、カイガラムシ類とダニ類・コナジラミ類を狙って同時防除する。マシン油乳剤(95)は薬害が出やすいので、かんきつではヤノネカイガラ・その他カイガラに30~45倍で12月下旬~1月中旬に散布する。落葉樹(なし・りんご・かき・もも)では、16~24倍で芽の動き出す前までに散布する。 夏季防除では若令幼虫を狙って散布する。クワシロカイガラムシは第一世代幼虫が5月下旬に、第二世代は8月上旬~下旬にでてくるので、このときが防除適期である。クワコナカイガラムシの場合、5月中~下旬と9月~10月が幼虫期の防除適期である。スミチオン乳剤、ダントツ水溶剤他による適期防除が効果を発揮する。 |
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加害作物 茶・果樹・アジサイ・いちごや、木本類では、つばき・ばら・ぶどう科・マキ科・マメ科・ミカン科で被害が発生する。 虫の生態 茶では成虫・幼虫が新芽・新葉・新梢を吸汁する。食害された部分が褐変する。萌芽期に芯が害されると大きく減収する。越冬成虫は、暖地では3月中旬から、寒地では4月上旬から越冬芽に入り産卵する。幼虫は5月中旬に羽化し、2番茶の萌芽期に新芽に産卵する。繰り返して3番茶・4番茶に多発生が続く。暖地では7~8世代、寒地では5~6世代を繰り返す。越冬成虫は10月~11月に枝幹部の割れ目や落葉中、土壌中に移動し、冬を越す。 防除のポイント ダントツ水溶剤で、各茶期毎に萌芽期~摘採7日前までに防除する。チャノミドリヒメヨコバイ・チャノホソガ・コミカンアブラムシの同時防除ができる。ダントツ水溶剤は浸透移行性に優れており、高い効果を発揮する。天敵のケナガカブリダニには影響が少ない。 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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被害のようすきゅうりでは葉に発生し、表面にうどん粉のような白い粉を生じる。その後、灰色になりその中に黒色の小粒を生じる。被害がひどいときは葉が枯れる。 病気の生態うどんこ病菌は子のう菌類に属するカビの一種で、うり科・ナス科・いちご・アブラナ科・樹木類に発生する。子のう胞子で分散し、空気伝染する。温室内では生きた植物の上でも越冬する。気温が高くなると発生し、昼夜の温度差が大きい時や低湿乾燥時に発生が多い。 防除のポイント発病を認めたら、7日おきに薬剤を2~3回散布する。高濃度では薬害の恐れがあるので、登録のある濃度で散布ムラの無いように散布する。 サプロール乳剤(きゅうり・メロン・なす・ピーマン・いちご・さやえんどう・かき・ばら)、ダコニール1000(きゅうり・にがうり・メロン・うり類(漬物用)・ピーマン・ばら)、ベンレート水和剤(りんご・なし・かき・ぶどう・ばら)、ポリオキシンAL水溶剤(きゅうり・かぼちゃ・いちご・すいか・メロン・花き類・観葉植物) 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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被害のようす きゅうりでは子葉や葉に発生し、はじめは淡黄色で、境界のはっきりしない小斑点を生じ、後に拡大して淡褐色に変わり、葉脈でくぎられた多角形の黄褐色病斑になる。病斑は古くなると黄褐色~灰白色になり、病斑が合併して葉全体に広がる。被害が著しいときは下葉が全部枯れ、収穫に大きく影響し、曲がりきゅうりなど品質に悪影響を及ぼす。露地栽培の発生が多い。露地栽培では、6~7月頃の気温が20~25℃位の時に発病蔓延する。多湿条件で発生が多い。 防除のポント密植を避け、排水を良くし、マルチや敷きワラをした上で発病前から予防的に防除をする。多発時は果実を摘果し、病葉を取り除き上部葉を十分防除する。発病が多い時は散布間隔を狭めて防除する。 ダコニール1000(きゅうり・にがうり・メロン・キャベツ・かぼちゃ・はくさい・なばな類・ねぎ・レタス・リーフレタス・たまねぎ・みつば・ゆうがお・うり類(漬物用))、ボルドー水和剤(ホップ・野菜類) 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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被害のようすトマトでは果実、花弁、葉などに多く発生するが、茎、葉柄にも発生する。幼苗期や定植後に地際部に発生すると、そこに灰色のカビを生じ、ひどいときは枯死させる。地上部の茎に発生すると、紫褐色に囲まれた暗褐色で楕円形の病斑をつくり、葉や葉柄も犯す。ひどい時はその上部が枯死する。幼果では、しぼんだ花弁に灰色のカビを生じ、花落部から幼果に広がり、全体が灰色のカビに覆われる。葉では、落花の付着したところから褐色の病斑をつくり拡大する。促成栽培、半促成栽培、抑制栽培などの施設栽培で多発する。20℃位で多湿のときに発生しやすいので、一般に11~4月に見られる。 防除のポイント低温にならないように保温に注意し、多湿にならないように日中高温時は換気に注意する。発病前から予防的に防除する。発病した果実や花は早めに取り除き、土中に深く埋める。灰色かび病は薬剤耐性菌がでやすいので、同一薬剤は連用しない。 ベンレート水和剤(きゅうり・トマト・なす・レタス)、ゲッター水和剤(トマト・ミニトマト・みかん・うめ・かき・きゅうり・なす・レタス・花き類・観葉植物・かんきつ・あずき・さやえんどう)、ポリオキシンAL水溶剤(きゅうり・トマト・なす・いちご・花き類・観葉植物)、スミブレンド水和剤(みかん・トマト・なす・きゅうり・レタス・たまねぎ・いんげんまめ・ふき)、スミレックス水和剤(みかん・びわ・あずき・らっかせい・いんげんまめ・きゅうり・トマト・ピーマン・レタス・たまねぎ・いちご)、ダコニール1000(きゅうり・なす・トマト・ミニトマト・たまねぎ・らっきょう・ふき) 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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被害のようす主に葉や花梗に、楕円形ないし紡錘形の少し盛り上がった斑点ができる。斑点の中心はオレンジ色で、まわりは黄白色のぼかしを生じ光沢がある。後にこの斑点からさび色の夏胞子がでる。病状が進むと、この斑点に接して褐色の長い楕円形ないし紡錘形の別の斑点ができる。ここに紫褐色の冬胞子が出る。被害がひどくなるとさび色の粉に覆われ、わら色に枯れこむ。春と秋に発生する。気温が25℃以下で高湿度が続くと発病しやすい。3~4月と9~10月に雨が多いと発病する。発病を予想して予防的に薬剤散布をする。 防除のポイント春の発生は冬の気温が高く、春に降雨が多くなると発生し、初発生が早い年ほどその年の発生が多いので早めに防除をする。 サプロール乳剤(ねぎ・芝) 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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被害のようす 果樹類・樹木類 虫の生態きゅうりの葉のみに発生する。はじめは円形または不正形の水浸状斑点を生じ、後に拡大して暗色~灰白色に変わる。病斑の周縁が褐色~紫色に変わるのが特徴である。多湿の時には病斑の裏面に淡黒色の菌叢を生じる。病原菌は被害の葉で生存し、空気伝染する。実害がない。 防除のポイント登録薬剤はない |
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被害のようすはじめ下葉の小葉が部分的に萎れ、次いで小葉は主に葉縁から支脈を中心に黄白色の変色部を生じる。小葉が黄変してゆっくりと褐変枯死する。果実の着生や肥大が不良になる。被害残渣と共に微小菌核で土壌中に残り根の傷口等から侵入する。22~25℃の気象で湿潤な土地で被害が大きい。 防除のポイント なす:ベンレート水和剤の灌注処理が有効。 農文協・野菜病害虫百科から引用 |
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近縁種のイヌスギナはスギナよりも大型で、水田や田の畦などやや湿ったところに生育する。スギナのように胞子茎と栄養茎が別に出るのではなく、栄養茎の先端に胞子穂を着ける。食用にはならない。 防除法スギナは酸性土壌を好むといわれているが、土壌酸度や肥沃度に幅広い適応性を示すため、石灰を散布しても生育を抑制する効果はない。茎葉処理剤等を再々散布して養分の生産器官である栄養茎を枯殺することにより、新しい地下茎の形成を抑えることが大切である。 秋の田に水はたまれりしかれども稲刈る跡に杉菜生ひたり長塚 節 |
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防除法種子から発生するものはトリアジン系除草剤で防除できるが、成植物になると除草剤の効果も低下し、スルホニルウレア系やホルモン系の除草剤の単用あるいは組合せが有効とされている。 群れ生ひし酸漿草の葉のか青きに時雨ふりつつさびしきろかも斎藤 茂吉 |
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近縁種のイヌスギナはスギナよりも大型で、水田や田の畦などやや湿ったところに生育する。スギナのように胞子茎と栄養茎が別に出るのではなく、栄養茎の先端に胞子穂を着ける。食用にはならない。 防除法茎葉処理剤などでほふく茎を枯殺する。また、種子は硬実性で長い年月にわたって少しずつ発生するため、有効な土壌処理剤で種子発生のものを抑える。 |
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日本名は、この葉を傷口に貼れば血が止まることによる。 帰化植物のブラジルチドメグサは、平成17年6月1日に施行された外来生物法によって栽培、移植、譲渡などが禁止された。 防除法種子から発生するものはトリアジン系除草剤で防除できる。生育中も根が比較的浅いので、ホルモン系の除草剤の単用あるいは組合せが有効とされている。 |
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防除法発生場所をできるだけ乾燥させる。除草剤としてはキノクラミン剤や光合成阻害剤が有効とされるが、近辺に植栽されている有用植物への影響を考慮する。 |
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防除法種子の寿命は1~2年と短く、出芽可能な深度は2~3cmと浅いため、種子を地中深く埋め込むか2年間徹底防除すればほとんど発生しなくなることが期待できる。多くの畑作用土壌処理除草剤はメヒシバの発生防止に卓効を示す。朝霧にぬれたわみたる夏草の めひじはの穂のほのかにそよぐ三ヶ島 葭子 |