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マルバツユクサの不思議な性質

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雑草よもやま話(18)(最終回)

地上部と地下部で花芽形成する不思議な植物

史前帰化雑草のマルバツユクサは熱帯アジア原産の植物で、日本では関東以西〜南西諸島に分布し、主に果樹園の雑草として防除が問題となっています。

同じ仲間で我々に馴染み深いツユクサは、葉は卵状披針形で濃い藍色の花ですが、マルバツユクサの葉は名前の通り広卵形で花は淡い藍色をしています。マルバツユクサの面白い開花特性と防除対策について、宮崎大学の松尾光弘先生(2005)の総説から抜粋してご紹介しましょう。

世界に存在する約25万種の顕花植物のほとんどは、地上部に花芽を形成し開花・受精して種子を作ります。しかし一部には地下部においても花芽を形成し、開花することなく自家受精して種子を作る植物もあります。このように1つの植物体の地上部だけでなく地下部においても花芽を形成して種子を結実することを「2種結実性」と呼んでおり、このような結実性は36種の植物で認められ、ツユクサ属植物ではマルバツユクサを含む5種で認められています。

マルバツユクサの花は、地上部では二枚貝のような仏炎苞内に通常2個着花し、開花・受精して果実(さく果)となって種子ができます。地下部では地中茎の各節ごとに1個の花が着き、自家受精して果実ができ、種子ができます。どちらの果実にも長径が3〜4mmの大型の種子が1個と、2mm程度の小型の種子が2〜4個できます。地上部で結実した大種子の発芽率は小種子よりも高く、暗条件よりも明条件で高くなります。また、大種子は休眠覚醒処理による発芽が小種子よりも早いことが認められています。自然条件下での発生期間については未知の点が多いのですが、地上部の大種子では4月と6月に出芽数が増加し、小種子では4月〜8月の長期に渡って出芽が認められた実験例があります。

マルバツユクサの除草剤による防除については非選択性茎葉処理剤を用いた試験が行われておりますが、発生期間が長いことから1回の除草剤散布では防除が困難であると共に、接触型の除草剤では地上部は枯殺できても地下部を枯殺できないため、地下部の種子形成を抑えられないことが心配されています。(岩崎)

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