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雑草よもやま話(10)
植物が放出する化学物質の有効活用アカマツ林は下草がほとんど無いことから「アカマツの露は下に生える草を枯らす」とか、「クルミを植えるとその周囲の作物がよく出来ない」とか、「クリが水田の近くにあると、田が茶色になって稲の出来が悪い」とかいう現象が昔から観察されています。 近年これらの現象についての研究が進み、アレロパシーによることが明らかにされてきました。アレロパシー(他感作用)とは、一般的に「ある植物から放出される物質が、他の植物や微生物に何らかの影響を及ぼす現象」を意味します。この定義には、ある植物が他の植物の生育を阻害したり、特定の作物を連作することによる忌地(いやじ)現象のような阻害作用だけでなく、違う種類の植物同士を植えておくと、互いに生育が促進されるような共栄関係も含まれます。 アレロパシーは生態系調和型農業において、病害虫抵抗性品種や雑草抑制力を持つ品種の育成、連作障害の防止、間作や混植による増収等の面で寄与する事が期待されています。植物が生産・放出する化学物質を農薬的に使用している例は多々あり、マリーゴールドやタヌキマメ(別名:コブトリソウ)、畑雑草のエビスグサ等がセンチュウの被害軽減を目的に植え付けられていますし、タバコのニコチン、デリスのロテノンは古くから殺虫剤として利用されています。ほとんどすべての植物が生成しているジベレリンは、ブドウの種無し化や各種植物の生長調節に使用されています。人間が化学的に作った物質は自然界に存在せず危ないものであり、天然に存在する物質は人間や環境に安全であるという妙な考え方がありますが、植物が生成する化学物質には合成農薬と類似の化学構造を持つものがあり、クルミの葉に含まれる物質が分解してできるユグロンの化学構造は、除草剤のキノクラミンに類似しています。 また、藤井氏らは、クレオメに含まれる揮発性物質から、20年以上も前に殺センチュウ剤・殺菌剤として農薬登録されているメチルイソチオシアネートを検出しております。人間が合成した化学物質と同じ物質を、植物も生産していたのです。(岩崎) |
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