
IPMの現状と今後 ーシリーズ(4)ー
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| (ハナカメムシの写真) |
露地作物のIPMに土着天敵の効果を利用する事例−露地野菜の例
どんな害虫にとっても有力な天敵類が数種類程度いるのが普通です。施設栽培では土着の天敵が働かない冬の時期にも害虫の発生があり、また施設という閉鎖的な条件のため、もともと土着の天敵類が働きにくい面があります。そのため市販の天敵製剤を導入するのが一般的ですが、露地の作物では土着の天敵類が活発に働く夏季を中心に、それらの天敵を保全してその効果を害虫防除に取り入れる方法が試みられています。
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| (テントウムシの写真) |
たとえば、露地のナスやピーマンの畑にイネ科の作物(ソルゴーやトウモロコシ、ムギなど)を混植したり、周りを囲むように植えておきます(障壁作物)。そうすると、それらのイネ科植物にはやがてアブラムシやアザミウマなどが発生します。そうなると、こんどはそれを求めて天敵類(アブラバチやテントウムシ、ハナカメムシ類など)も発生し、これらの天敵がナスやピーマンの害虫類も攻撃してくれるというわけです。もちろんイネ科の作物を植えなくても害虫の発生があれば天敵類は発生しますが、この方法では、積極的に天敵を呼び集めて比較的早い時期から天敵の効果を生かそうとするわけです。また、イネ科で発生する害虫類は普通広葉の作物にはつかないため、その点でもすぐれた方法といえます。なお、最近では農地の景観美化や雑草の抑制を目的に、各種の花類を農地周辺に植える例が増えていますが(カバープランツ)、これらの花類にも害虫の天敵類が集まってきますので、これらを利用する試みも検討されています。
以上の方法は主にアブラムシやアザミウマ類に有効な方法です。他の害虫(りんし目害虫やハダニ、ホコリダニ類、テントウムシダマシなど)や病害に対しては、当然発生に応じて、この方法と矛盾しないような方法(たとえば、選択的のある殺虫剤やBt剤、殺ダニ剤、殺菌剤の散布など)を組み合わせる必要があります。(H・M)

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