季節のご相談から

【「季節のご相談から」 ~ひげ仙人の農薬なんでも相談室~】その5.(長野県の農家様)夏秋作のトマトやナスでは秋にかけてオオタバコガの被害が多くなり困っています。アザミウマ類やコナジラミ類に対しては天敵類を利用した体系で防除しています。またマルハナバチを導入しているので、それらに影響の少ない防除薬剤を紹介してください。

このコーナーでは、これまで弊社のお客様相談室に寄せられた農薬に関するお問い合わせから、解決方法や参考情報などをシリーズでお届けします。

長野県の農家様
夏秋作のトマトやナスでは秋にかけてオオタバコガの被害が多くなり困っています。アザミウマ類やコナジラミ類に対しては天敵類を利用した体系で防除しています。またマルハナバチを導入しているので、それらに影響の少ない防除薬剤を紹介してください。

オオタバコガはトマトやナス等の果菜類やキャベツ等のアブラナ科葉菜類、マメ科作物、花き類と幅広い作物を加害します。年に4~5回程発生し、夏以降に発生量が増え秋に被害が多くなります。植物の先端部分の茎葉や花蕾に1卵ずつ産卵し、ふ化幼虫は新芽や葉を食害します。幼虫は生育が進むと活動範囲が広がり摂取量も大きくなります。中老齢幼虫は茎や脇芽の内部に侵入しますので生育が抑制され、花芽も食害するので着果数も減少し収量にも影響します。また果実の中にも喰入するので商品価値がなくなります。

また中老齢になると薬剤によっては感受性も低下し、また喰入している幼虫の場合は防除が難しくなります。オオタバコガは防除対策が遅れると収量に大きな影響を及ぼします。防除に当たっては殺虫活性の高い薬剤で若齢幼虫・中齢幼虫を対象に行うことが大事です。

プレオフロアブル(有効成分:ピリダリル)はチョウ目害虫やアザミウマ類に高い殺虫効果を示す薬剤です。チョウ目害虫には若齢から老齢幼虫まで齢期を問わずに殺虫効果を示すので、防除適期の幅が広く、優れた被害抑制効果を示します。

既存の殺虫剤とは異なる化学構造を有し、既存剤に対して抵抗性を発達させた害虫にも 感受性系統と同じ高い殺虫活性を示します。またハナカメムシ類、寄生蜂、カブリダニ等の天敵類に対する影響が小さく、天敵農薬を使用した防除体系に組み込みができ、マルハナバチ等の花粉媒介昆虫への影響も少ないので併用が可能な薬剤です。

オオタバコガに対しては、8月中下旬以降、発生初期から防除することにより密度低下を図ります。中齢以降の幼虫が果実を加害していくので、被害果の除去と幼虫の捕殺とともに薬剤散布を行います。発生密度によっては連続散布も必要ですので薬剤防除に当たっては、抵抗性の発達を防ぐため、他系統との組み合わせで使用してください。散布に当たっては、散布むらの無い様に丁寧に散布することが防除効果を上げるコツです。トマト、なすのオオタバコガの防除には、IPM(総合的病害虫・雑草管理)に適合し、効果が高いプレオフロアブルをおすすめします。


(追加情報)
【2023年7月5日付け プレオフロアブル 適用拡大】
「トマト」および「ミニトマト」に「トマトキバガ」が追加されました。
トマトキバガは令和3年にトマト圃場において国内で初確認され、主にナス科植物へ寄生します。
果実にも侵入し内部を食害するので果実品質が低下します。


製品詳細に関しては以下をご参照ください。

「プレオ®フロアブル」の
製品ページ

TOP